ナラ枯れとクマ被害

予測してきたことですが、実際に起こってしまうとは…。
今年はクマ出没のニュースが飛び交っています。クマが人里に出没する理由としては、ドングリの不作があり、不作は猛暑のためとされてきましたが、読売はナラ枯れのためではないか、と論じています。

読売社説 クマ出没 森の荒廃が招いた被害の多発
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101018-OYT1T01298.htm

ナラ枯れは、コナラやミズナラなどが立ったまま枯れてしまう病気で、カシノナガキクイムシという昆虫が媒介することで広がっていきます。現在もナラ枯れは日本各地に拡大中なのですが、ナラは木材として市場価値が低いため、マツ枯れほどしっかりと防除されていないのが現実です。ナラ枯れを研究テーマとしている私としては、ナラ枯れがひどくなると、ドングリが減少してクマ被害が増加する可能性は知っていたのですが、こう現実になってしまうと…。
もちろん、ドングリの不作はナラ枯れだけのせいではないと思いますが、ナラ枯れの防除が急がれます。