イワナとハリガネムシ

生物を勉強していると、なにかと役に立つことがあります。
先週、群集生態学セミナーで、佐藤さんと杉浦さんと内海さんが講演されました。佐藤さんは、ハリガネムシというカマドウマの寄生虫が、川の生態系に大きな影響を与えている、という話をしてくれました。ハリガネムシは川で産卵するため、陸に住んでいるカマドウマを操作して川に飛び込ませるのですが、大量に入水自殺するカマドウマをイワナが食べ、川の底性生物がイワナに食べられずにすんで増加し、底性生物の餌である藻類が減少する、というストーリーでした。
学術的にとても興味深い話だったのですが、それよりなにより、まず私が思ったのは、「私達が釣って食べているイワナには、あのグロイ、ハリガネムシが、カマドウマと一緒に胃に一杯入っているのか…」ということ。カマドウマも嫌ですが、ハリガネムシも負けず劣らず嫌ですね。
幸い、カマドウマとハリガネムシは晩夏から秋にかけて入っているそうで、私達が釣る春や初夏には入っていないようです(ただ、北海道のイワナは、ゴミムシとハリガネムシがもう少し早い時期から入っているようなので、要注意です)。今までも食べる時にはちゃんと内蔵を出していましたが、これまで以上に、絶対に内蔵を全部ださなきゃ、と堅く心に誓いました。