いのしかちょう

以前から謎だった組み合わせなのですが、こんな意味があったんですね。
花札の猪の札には、一緒に萩が描かれています。猪肉はぼたんと呼ばれているので、牡丹が描かれていてもよさそうなのに、牡丹は蝶と一緒に描かれています。
なぜ猪と萩なのか、理由は、もうひとひねり必要でした。猪の肉は、皿に盛りつけると牡丹の花のように見える、または煮込むとちぢれて牡丹の花のように見えるから、ぼたんと呼ばれます。さらに、牡丹の花の頃、春のお彼岸に食べるものは「ぼたもち」。実は、ぼたもちの名前は、牡丹もちからきています。そして、萩の花の頃、秋のお彼岸に食べるものは「おはぎ」。つまり、ぼたもちとおはぎから、猪と萩になった、という説があるそうです。
ちなみに、鹿と紅葉は、鹿の肉が紅葉のように見えるから紅葉と呼ばれるため、という説や、鹿と紅葉が秋の季語だから、という説があります。牡丹と蝶は、実は中国や韓国では牡丹のみで、蝶は一緒に描かれていないそうです。花札、なかなか奥が深そうですね。