新型インフルエンザと数理モデル

こういうニュースを聞くと、数理モデルの恐ろしさを感じます。
アメリカの研究者が、新型インフルエンザの数理モデルを解析し、学校に通う子供と母親にワクチンを接種すると大流行を抑えられる、という結果を発表した、とニュースで報じられていました。
病気の感染拡大が数理モデルで予測できると、社会的にも大きな意義のある研究になることはわかっています。しかし、ニュースでその研究結果が報じられる時は、大抵、情報が矮小化され、極端になってしまいます。その研究のために、多くの人が助かる可能性があると同時に、多くの人が犠牲になってしまう可能性を考えると、恐ろしく感じてしまうのです。
さらに数理モデルでは、人の「感情的」な面を無視してしまいます。今回の数理モデルがどんなモデルか知らないので、一般的な話として聞いてほしいのですが、感染拡大を抑える方法と死亡者数を抑える方法が、相反することもしばしばあります。感情的には、死亡者数を抑える方法を選ぶ方がいいと思うのですが、感染拡大の抑制方法だけがクローズアップされると、その方法が採用されてしまう場合も考えられます。
なので、私はこのような感染のモデルや政策のモデルを研究する時、いつもびくびくしてしまいます‥。