ミニマムゲノム:最小は最速

来週は研究室の輪読会で「The Origins of Genome Architecture」の13章を発表しなければならず、スライド作りに苦戦しています。この本の著者、Michael Lynchさんは、ゲノムにはやたらと無駄な部分があり、その複雑性は主に突然変異と遺伝的浮動によってもたらされる、ということを切々と説いております。
ちょっと前のワールドビジネスサテライト(このblogでも紹介したニュース番組)のサイエンスエッジというコーナーでは、ミニマムゲノムファクトリーについて、紹介していました。微生物のゲノムの中から、生存に必要最小限のもの(ミニマムゲノム)だけ残して、あとは取り除き、微生物にタンパク質を生産させると、ミニマムゲノムにしなかった時よりも数倍、生産が早くなるのだそうです。いかに、余計な遺伝子(?)によって、物質生産が律速されていたのかが分かりますね。
現実では、物質生産が遅いものが進化しているのですから、余計とされている遺伝子が、進化的にどんな影響力を持っているのか、気になります。例えば、進化可能性とか?(Lynchさんは否定的ですけどね)